セット企画

阪田 知樹ピアノリサイタルシリーズ第1回   開催終了

ショパンを巡って-阪田 知樹がいざなうピアノ音楽の軌跡 (全3回)

[イベント概要]

会場兵庫県立芸術文化センター神戸女学院小ホール
座席表を見る(PDF)
日程 2021年12月9日(木)開催終了
時間19:00(開場18:30)
料金 4,000円(全席座席指定)
チラシ
阪田知樹

ピアノ音楽の可能性を追求し、飛躍させたショパン。そのショパンが、作曲家の先人たちから何を得、また、後世の作曲家にどんな影響を及ぼしたのか…そんなテーマのもと、シリーズを通して、選りすぐった作曲家の多彩な名曲をお聴きいただきます。

第1回 移ろいゆく幻想(ファンタジー)の世界

プログラム

モーツァルト:幻想曲ハ短調K.475
シューマン:幻想曲ハ長調Op.17
ショパン:幻想ポロネーズ変イ長調Op.61
リスト:巡礼の年第2年「イタリア」第7曲
「ダンテを読んで〜ソナタ風幻想曲」

※演奏に先立ち18:45から阪田知樹による「プレトーク」を行います。
都合により、曲目などを変更する場合があります。あらかじめご了承ください。

ショパンを巡って-阪田 知樹がいざなうピアノ音楽の軌跡

前期ロマン派を代表する作曲家として、そしてピアニストとして活躍したフレデリック・ショパン(1810~49)。作品のほとんどはピアノ曲で、さまざまな形式、美しい旋律、半音階的和声法など、ピアノの表現様式によってピアノ音楽の可能性を飛躍させました。ピアノを自在にうたわせた、まさに「ピアノの詩人」です。
今回のピアノリサイタルシリーズでは、3回の公演を通じて、ショパンという作曲家が過去や同時代の作曲家たちとどういう関連性をもって作曲活動を行ったのか、そして後世の作曲家たちにどういう影響を与えたのかを、聴き手の皆さまとひも解いていきたいと考えています。
第1回は「幻想曲(ファンタジー)」をテーマとします。幻想曲は、時代や作曲家によって全く異なる形式、様相を呈していますが、それは、作曲家の個性を最も強く打ち出せる楽曲だからではないでしょうか。ショパンをはじめ4作曲家の作品をお聴きいただき、それぞれ異なる幻想の世界に、皆さんをいざないます。

これからの予定
2022年秋冬季
第2回「踊りから花開くピアノ音楽の世界」
J.S.バッハ:パルティータ第4番ニ長調BWV828
ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
ショパン:マズルカより
ショパン:バラード第4番ヘ短調Op.52ほか

踊りは常に音楽に密接な関わりを持ち続けています。
バロック時代には、フランス宮廷での踊りに影響を受け、舞曲を含めた組曲が多く書かれました。
その後、時代とともに音楽は、舞曲のリズムと名を借りて、独自の世界に羽ばたいていきました。
芸術音楽に昇華された舞曲に由来する古今東西の作品をお楽しみください。

2023年秋冬季
第3回「連作集—新たな世界」
ショパン:24の前奏曲Op.28
シューマン:クライスレリアーナOp.16ほか

ロマン派の時代に盛んに書かれるようになった小品が連なった楽曲。
それはバロック時代の組曲にそのルーツを持ちつつも、感情の振れ幅の大きさや、詩的な表現、絶えず変化する表情などこれまでの音楽とは一線を画したものとなりました。
シューマンとショパンによる連作集の最高傑作とその作品が後世に与えた影響を探ります。

阪田知樹リサイタルのサポーターを募集

大阪新音は阪田知樹ピアノリサイタルシリーズ開始に合わせ、「阪田知樹リサイタル・サポーターチーム」(ファンクラブではありません)を発足させます。現在準備中で、詳細は今後としますが、ご関心をお持ちの方は大阪新音カウンターまでご連絡ください。ご案内を差し上げます。

阪田知樹 ピアノリサイタルシリーズ 全3回の予約者募集(座席優先確保・第3回を半額に)

演奏会第2回・第3回とも、12月に兵庫県立芸術文化センター小ホールで開催する予定です(会場の規則により、使用申し込みが1年前にしかできないため日程を確定できません。ご了承ください)。料金は各4,000円とします。
全3回の予約登録をいただくと
(1)阪田知樹リサイタルシリーズの情報やチケット販売予定を随時お知らせします(併せて、購入確認をいただきます)
(2)第2回・第3回の座席を、ご希望に沿って優先して確保します
(3)第3回の入場料を半額(大阪新音会員料金または一般料金のそれぞれ半額)にします。そのほかの特典も検討中です
お申し込みは大阪新音カウンターまで電話(06-6926-4888)でどうぞ。(予約登録料無料)

阪田知樹(ピアノ)Tomoki SAKATA, piano

2021年エリザベート王妃国際音楽コンクール4位。
2016年フランツ・リスト国際ピアノコンクール(ハンガリー・ブダペスト)第1位、6つの特別賞。コンクール史上、アジア人男性ピアニスト初優勝の快挙。「天使が弾いているかのようだ!」-Leslie Howard-と審査員満場一致、圧倒的優勝を飾る。
第14回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールにて弱冠19歳で最年少入賞。「清澄なタッチ、優美な語り口の完全無欠な演奏」-Cincinnati Enquirer-と注目を集める。
チェコの巨匠イヴァン・モラヴェッツ氏より高く評価されイヴァン・モラヴェッツ賞、ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ、聴衆賞等5つの特別賞、クリーヴランド国際ピアノコンクールにてモーツァルト演奏における特別賞、キッシンジャー国際ピアノオリンピックでは日本人初となる第1位及び聴衆賞。
アレクサンドル・ラザレフ、ヴラディーミル・ヴァ―レック、レナード・スラットキン、アンドレア・バッティストーニ、ヤーノシュ・コヴァーチュ諸氏の下、シュターツカペレ・ハレ、チェコ国立交響楽団、ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団、フォートワース交響楽団、NHK交響楽団、東京都交響楽団、東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、読売日本交響楽団他と共演。東京クヮルテットメンバーとの共演など室内楽奏者としても活躍。
国内はもとより、世界各地20カ国で演奏を重ね、国際音楽祭への出演多数。クレムリン音楽祭では、オール・リスト・プログラムによるリサイタルを名ピアニスト、ニコライ・ペトロフ氏が「世界一のリスト」と絶賛。クライバーン・ショパン・フェスティバルでのオール・ショパン・プログラムによるリサイタルは、「ヴィルトゥオージティ、天性の叙情性、ピアノに対峙する真摯な姿が聴衆を感動の渦に巻き込んだ!」―Fort Worth Star-Telegram―と高評を得た。2018年には、ドイツの名門ライプツィヒ・ゲヴァントハウスにてリサイタルデビューを果たす。
幼少期より作編曲にも傾注、近年は委嘱を受け、初演の機会に恵まれている。
2015年CDデビュー、2020年3月、世界初録音を含む意欲的な編曲作品によるアルバムをリリース。内外でのテレビ・ラジオ等メディア出演も多い。
東京藝大附属高、東京藝大を経て、ハノーファー音楽演劇大学にて学士、修士首席修了、現在同大学院ソリスト課程に在籍。世界的ピアニストを輩出し続ける「コモ湖国際ピアノアカデミー」の最年少生徒として認められて以来、イタリアでも研鑽を積む。ウィーンの三羽烏パウル・バドゥラ=スコダ氏に10年に亘り師事。音楽理論・作曲を高橋千佳子、永冨正之、松本日之春の各氏に師事。2017年横浜文化賞文化・芸術奨励賞受賞。

阪田知樹さんからメッセージをいただきました

近くにありすぎて向き合えなかった「ショパン」の音楽-今は全身全霊で


ショパンの作品を初めて演奏してから、様々な作品にふれてきました。
常に近くあることによって何か大切なものを見失っているように感じた私は、ある時からショパンを演奏することから少し距離を置くようにしていました。
しばらくして、練習の合間に、ふと楽譜棚に並んでいるショパンの楽譜に目をやり、何気なく引っ張り出すと、そこには無限の世界が詰まっていました。
「これほど色彩に満ちた美しい音楽を前にし、これらを弾かずにおられるだろうか!」心からそう思った私は、今の自分が信じるショパンを演奏すべく彼の作品に向きあっていこう、と心に決めました。
ショパンがバッハやモーツァルトを崇拝していたことはよく知られていることですが、他の作曲家からの影響や、ショパンが影響を与えたのちの作曲家について、実はあまり知られていないのではないでしょうか。

ピアノ音楽における「ショパン」の存在を突き詰めたい


今回のリサイタルシリーズは、ただショパンのピアノ曲を聴くということではなく、ピアノ音楽の歴史の中でショパンという作曲家がどのような存在だったのか、ということを他の作曲家達による作品を交えつつ、聴き手の皆様と一緒に体験していくことを目指しております。
「幻想」をテーマとした第1回は、ショパンが最も尊敬していた二人のうちの一人、モーツァルトによる幻想曲で幕を開け、そこからショパンと同時代の作曲家二人の幻想曲へと続きます。
今回初めて演奏させて頂く、兵庫県立芸術文化センター神戸女学院小ホールにてどのような「幻想の世界」が立ち昇るのか、今から楽しみでなりません。
12月9日、皆様とお目にかかれますこと、素敵なホールでお待ちしております。